若さ溢れる斬新なアイデアを!っていうけれど。

これ、大学生なら一度は言われたことのあるセリフではないでしょうか?

僕もこの期待に何度苦しめられたかわかりません。

「よっしゃ!がんば................んー、いや、なんか、無理!出ない!」

とその都度感じていて、自分なりにどうしたらいいのか考えて、ここ半年くらいはインプット重視の生活を送ってきたのですが、

『アイデアのつくり方』ージェームズ・W・ヤング著

という、1960年に刊行されて以来現在でも色褪せない名著をただいま読みまして、自分が感覚的に感じていたことがドンピシャリで言語化されていて感動したので、整理も兼ねてまとめます。

 

「アイデアとは、既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない」

 

この一文を見たことがあるという方は多くいらっしゃると思いますが、

イデアとは、何もないところから突如生まれるものでなく、”ある一定の明確な方法”に従って生まれるものだと述べられています。この方法が「確かに!」の嵐で目から鱗もんだったので、

本著で述べられている「アイデアを生むための5つのステップ」を簡単にご紹介。

一、情報集め

実はこのステップが一番大切なのに、多くの人はこれを飛ばしてしまいがちである。

何もないところからアイデアは生まれない。アイデアの源泉となる情報を集める必要がある。情報には「特殊情報」と「一般情報」の2つがある。特殊情報とは、特定の分野(アイデアを出したい領域)に関する情報のことで、これは徹底的に掘り下げて集めていく必要がある。一般情報とは、この世の様々な出来事についての情報のことである。人生を通して収集していく類の情報だ。

蓄積されたこの二種類の知識を組み合わせることが、すなわちアイデアを作るということである。

二、情報の咀嚼

次は、これらの情報を咀嚼する段階である。情報に意味を付加していく。ここで大切なのは、集めた個々の情報を正面から眺めるのでなく、様々な角度からこねくり回して、パズルのように組み合わせを考え、それを限界までやり抜くことだ。ここではまだアイデアは生まれなくてもよい。

三、資料の熟成

そこまで考え抜いたら、一度それらを完全に意識の外に放棄し、全く別の趣味や創作活動に心を移す。

四、舞い降りる瞬間

イデアが訪れる瞬間というのは、アイデアを探し求める心の緊張を解いて、休息とくつろぎのひとときを過ごしているときなのである。思いがけないタイミングで、そのときは訪れる。

五、アイデアのチェック

最後に、そうして生まれたアイデアが陽の目を見るために、現実の過酷な条件や世知辛さといったものに適合させるべく、忍耐強くアイデアを鍛えていくことが必要がある。良いアイデアというのは自分で成長する性質を持っているので、多くの人の目に触れさせ、可能性を見出してもらっていく。

 

以上がアイデアを生むステップになります。

誰しも一度はこのようなステップを踏んだ経験があるのではないでしょうか?出したいアイデアでレベル感の大小はありますが、基本全ての場合でこれが当てはまる気がします。

 

さて、冒頭に戻ります。

「若さ溢れる斬新なアイデアを!」という言葉への違和感が、もののみごとに本著で言語化されていて、いたく感動したわけです。

つまり、これまで僕は「若さ」という魅惑の響きを持つ言葉に乗せられて、自分が何か特別な力を持っていると錯覚し、無謀にも挑戦心を掻き立てられ、勇んでアイデアを考えていたのですが、一番大切な「資料集め」のステップをぶっ飛ばしてたじゃん!ということです。

学生たちの企画立案コンテストなんかだと、知識量にそこまで大差が無いため、結局ひらめき勝負になり、頭の柔らかい人が勝つことになるのですが、そうして自信をつけたとしても、自分より一回りも長く生きている人と比べたら、自分の持っている手札が圧倒的に少ないということは一目瞭然で、いくつになっても毎日コツコツ情報収集しているような人にはなかなか勝つことは難しいし、でもそういう人達をオオ!て言わせられるアイデアが出せないと意味は無いわけで・・

若いうちから成功するのは難しい。並大抵の努力じゃ無理!ということ改めて認識しつつ、そこで初めて「若さ」という当事者性、視点という価値を意識して、勝てる分野を探していくことなのかなあと思います。

 

そんなわけで、もっともっと勉強だなあと気持ちを新たにしたのでした。

 

PS.とはいいつつも、集めた知識をマイニングする訓練も同時に必要だと思い、でも自分の限られた知識を十分に発揮できる環境なんてあるのかな。と悶々としていたタイミングで、

まさにその「若さ」を「特殊知識」として発揮できる環境を頂きまして、これならもしかして価値を出せそうだ!という実感をもちながら、日々修行に励んでいるこの頃です。